追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 考えられる答えとしては、基となった鉱石の問題だ。大地の力をそのまま受け継ぐ鉱石は、大いなる力を秘めるが、非常に扱いにくいと聞く。それを変化させる力を持つ者は、鉱石に愛されていると言えるだろう。つまり、永続ランプを創った者を、なにかしらの不幸な目に遭わせたことが、鉱石の機嫌を損ねてしまったのではなかろうか。そうなると、やはり真の聖女はララか? 彼女を追い出したのが、ランプが壊れた原因かもしれないが……これは単なる推測であり断定は出来ない。

「そんなもの、ナタリアにいくつでも創ってもらえばいいではないか」

「……ああ、なるほど。そうですね、ええ、全く殿下のおっしゃる通り。ではナタリアにお願いしましょうか」

 阿呆だが、たまにはいいことを言うではないか。
 私は心の中でほくそ笑む。これでナタリアの力が本当かどうかを知ることが出来る。もし本当であったなら問題は無くなり、嘘であったら……追い出した方の聖女、ララを探さねばならない。それはなにより重要なことなのだ。
 その後、カレリアス邸へ創造に必要な宝石を届け、自称聖女ナタリアにランプの創造を願い出た。
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