追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「おはようございます、ディオ。準備は進んでいますか?」

「ララ! おはよう。準備は順調だ。だが悪魔がどれだけの増援の魔物を出してくるかわからない。それが心配だよ」

「ええ、私も。あ、よければ、魔物に効きそうな物も出しておきますか?」

 すると、ウーノが反応した。

「悪魔に有効な武器を知っているのですか? さすがララさん!」

「い、いや、実際に効くかどうかは使ってみないとわかりません」

「それでも助かるよ。ありがとう、ララ」

 眩しいディオの笑顔にときめきつつ、必死で頭を働かせる。
 聖水や十字架は、期待薄かもしれない。これは信仰がなければ効果がないと思うから。
 絶対効くのは炎。それもドラゴンが吐く業火なら、かなりの効果が見込めるはずだ。
 でも、そんな炎、どうやって創造すればいいかわからない。ファンタジーっぽく炎の剣でも出したいけど、常に燃えている剣なんて、持っていたら熱いのでは……などと、現実的なことを考えてしまい、なかなか考えが纏まらない。
いっそのこと火炎放射器はどうか、と考えてすぐに却下した。自分が使い方を知らない物を人には持たせられない。
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