追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
第六章 聖女の魔法は最強です
 ガノンたち騎士団と合流し、暗い中、馬を駆ける。
 アメちゃんに乗ればもっと早く着くのだけど、今回は街道を行くため、正攻法の登城である。当初聖女がドラゴンに乗って登場する、という派手な演出もいいなと考えた。しかし、悪魔に手の内を晒したくはない。守護獣は奥の手とした方が有効であると考えたのだ。
 やがて、空が白んで来た。
 朝日が昇り、眩しい日差しが眠気眼を刺激する。たまらず目を瞑り再び開けると、はるか向こうに城郭が見えた。

「着いたのでしょうか?」

「予定通りだ。先に騎士を駆けさせて聖女の帰還を知らせよう。ガノン!」

 ディオは前を駆けるガノンを呼んだ。

「使いの騎士を王宮へ!」
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