追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「前に見た時とあまりにも容貌が違いましたので、どこで何をしていたのかと。もっと色白で華奢ではなかったでしょうか?」
「んえっ? そ、そうですか。そんなことないですよ……」
思わず動揺してしまった。まさか、見た目について問われるとは考えてもみなかったのである。
王都から去った日から今日まで、筋トレを欠かしたことはない。ダンベルを上げスクワットをし、腹筋腕立てもやった。二週間も経ってないけど、少しだけ筋力はついたように思う。
王都にいた時の私はガリガリで青白かった。追い出されてから血色がよくなったなんてちょっとおかしい、と宰相は考えたのかも。
「そうですか? 気のせいでしょうか?」
首を傾げる宰相に「そうですよ!」とゴリ押ししていると、回廊の向こうから、会いたくない男がやって来た。アンセルである。
彼は最後に見た時と同じような仏頂面でやって来たけど、近くまで来た途端、顔色を変えた。
私を見て宰相を見て、また私を見てと繰り返したあと、回廊に響き渡る大声で言ったのだ。
「お前! ララか? どうしたその姿は! 見違えるように美しいではないか!」
「んえっ? そ、そうですか。そんなことないですよ……」
思わず動揺してしまった。まさか、見た目について問われるとは考えてもみなかったのである。
王都から去った日から今日まで、筋トレを欠かしたことはない。ダンベルを上げスクワットをし、腹筋腕立てもやった。二週間も経ってないけど、少しだけ筋力はついたように思う。
王都にいた時の私はガリガリで青白かった。追い出されてから血色がよくなったなんてちょっとおかしい、と宰相は考えたのかも。
「そうですか? 気のせいでしょうか?」
首を傾げる宰相に「そうですよ!」とゴリ押ししていると、回廊の向こうから、会いたくない男がやって来た。アンセルである。
彼は最後に見た時と同じような仏頂面でやって来たけど、近くまで来た途端、顔色を変えた。
私を見て宰相を見て、また私を見てと繰り返したあと、回廊に響き渡る大声で言ったのだ。
「お前! ララか? どうしたその姿は! 見違えるように美しいではないか!」