追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
聞き間違いだろうか? と次の言葉を待ってみた。でも、ディオはニコニコと微笑むだけで、訂正をする気配がない。もしかして、私たち、山賊の根城に突撃してしまったのでは? だったら、居住区に案内されるのって、非常にマズいんじゃない? 優しい言葉で誘っておいて、あとで身ぐるみ?がされたらどうしよう! 助けを求めようと、守護獣たちを見ると、彼らはなんの危機感も抱かずにのほほんとしている。スピネは伏せて尻尾を振り、ムーンは羽の乱れを整え、アメちゃんは眠そうにあくびをする。そんな能天気な守護獣たちの様子を見て、私の不安もすっかりなくなってしまった。山賊が全て悪い人だと決めつけるのはよくないものね。
「じゃあ、少しだけお邪魔します」
「少しだけ、なんて。フッ、まあ、ゆっくりしていってくれ」
ディオは意味深に微笑んだ。その様子が気になりつつも、私はディオに手を引かれ、深い森の中に誘われたのである。
「じゃあ、少しだけお邪魔します」
「少しだけ、なんて。フッ、まあ、ゆっくりしていってくれ」
ディオは意味深に微笑んだ。その様子が気になりつつも、私はディオに手を引かれ、深い森の中に誘われたのである。