追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
可哀想な我が妹? 私を可哀想にしたのは、あなたたちでしょう?
父と兄と姉は、幼い私を虚言癖が酷く心の病に罹っていると言い、屋敷に閉じ込めた。嘘などひとつも吐いたことはないのにどうして、と幼心に感じていたが、時が経つにつれ、それが仕立て上げられたものだと気付いた。しかし気付いても、どうすることも出来なかった。彼らは四六時中私を見張り、部屋を出て行こうとすれば烈火の如く怒った。情けをかけてやったと言うけれど、物心ついた時から、家族は私に冷たかった。
胸の内で燻る理不尽な思いは、ひとつも言葉として出て来ない。この十七年間、消そうとしても消えない罪の意識がそうさせたのだ。
私が生まれたのと同時に、母は命を落とした。父から愛する人を奪い、姉と兄から優しい母親を奪ってしまった、そのことが、私の心の中に重く鉛のように沈んでいたのだ。
カレリアス家を歪めたのは「私」。望まれて生まれたのではない、憎まれて当然の人間なのだから、軟禁されても、酷い暴言を吐かれても、冷たくされても、仕方ないと感じていた。
でも……私だって夢を見る。
父と兄と姉は、幼い私を虚言癖が酷く心の病に罹っていると言い、屋敷に閉じ込めた。嘘などひとつも吐いたことはないのにどうして、と幼心に感じていたが、時が経つにつれ、それが仕立て上げられたものだと気付いた。しかし気付いても、どうすることも出来なかった。彼らは四六時中私を見張り、部屋を出て行こうとすれば烈火の如く怒った。情けをかけてやったと言うけれど、物心ついた時から、家族は私に冷たかった。
胸の内で燻る理不尽な思いは、ひとつも言葉として出て来ない。この十七年間、消そうとしても消えない罪の意識がそうさせたのだ。
私が生まれたのと同時に、母は命を落とした。父から愛する人を奪い、姉と兄から優しい母親を奪ってしまった、そのことが、私の心の中に重く鉛のように沈んでいたのだ。
カレリアス家を歪めたのは「私」。望まれて生まれたのではない、憎まれて当然の人間なのだから、軟禁されても、酷い暴言を吐かれても、冷たくされても、仕方ないと感じていた。
でも……私だって夢を見る。