追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
力を示し聖女に認定されたら、家族に認められ、褒められる日も来るのではないか。
そう考えて、親しかった侍女にだけ創造の魔法を見せたのである。驚いた侍女が王宮勤務の侍女に話すと、噂が噂を呼び、それを聞きつけた宰相がいち早く訪ねて来た。父は私を渋々宰相に会わせたが、何か創るように言った宰相に対して条件をつけた。
「娘が創造魔法を使うのは、カレリアス邸の中でだけ」……と。
宰相は了承し、私は、求められるまま自室で創造を繰り返していた。しかし、日を追うごとに家族の風当たりは強くなり、監視の目はきつくなる。功績が認められて聖女になり、アンセルの婚約者になると、もう……部屋の中にいても、悪意の視線を感じるようになっていた。
「とにかく、聖女の認定は取り消す! もちろん、お前との婚約も破棄だ」
黙り込む私にアンセルが言った。おおよそ、この沈黙を肯定と捉えたのだろう。彼は軽く舌打ちをすると、出口に向かって踵を返す。それを媚びるように追いながらナタリアが言った。
「ご英断ですわ! しかし、愚妹の罪はそれだけでは拭えません。ぜひとも重い罰をお与え下さい。そうですねぇ、永久追放などいかがでしょう」
そう考えて、親しかった侍女にだけ創造の魔法を見せたのである。驚いた侍女が王宮勤務の侍女に話すと、噂が噂を呼び、それを聞きつけた宰相がいち早く訪ねて来た。父は私を渋々宰相に会わせたが、何か創るように言った宰相に対して条件をつけた。
「娘が創造魔法を使うのは、カレリアス邸の中でだけ」……と。
宰相は了承し、私は、求められるまま自室で創造を繰り返していた。しかし、日を追うごとに家族の風当たりは強くなり、監視の目はきつくなる。功績が認められて聖女になり、アンセルの婚約者になると、もう……部屋の中にいても、悪意の視線を感じるようになっていた。
「とにかく、聖女の認定は取り消す! もちろん、お前との婚約も破棄だ」
黙り込む私にアンセルが言った。おおよそ、この沈黙を肯定と捉えたのだろう。彼は軽く舌打ちをすると、出口に向かって踵を返す。それを媚びるように追いながらナタリアが言った。
「ご英断ですわ! しかし、愚妹の罪はそれだけでは拭えません。ぜひとも重い罰をお与え下さい。そうですねぇ、永久追放などいかがでしょう」