ファーストキス~「日直当番」より~
「こ、これ以上はダメです。あなたを傷つけてしまうかもしれない」
珍しく余裕がなさそうに肩で息をしている。私は身体を起こして改めて進藤くんを見た。こんな進藤くんは初めてだ。
「傷ついたりなんかしないよ。進藤くんだから、いいよ」
こつん、と進藤くんの肩に頭を預けた。
「僕だってただの男子高校生ですよ。そんなこと言われたら…。いや、今日はここまでにしましょう」
「ちぇー」
「送りますね」
進藤くんは私の肩を抱いてぎゅーっとしてくれた。
あっという間に家の前に着いてしまった。これほどに進藤くんとの別れが名残惜しいと思ったことはない。家に着く頃にはもうあたりは真っ暗になっていた。
「今日はありがとね。ネックレス、大事にするよ」
「ええ。喜んでいただけてよかったです」
「ねえ、もう1回だけキスしてくれる?」
「ここでですか?」
私のお願いに進藤くんはちょっと困惑気味。
「仕方ないですね」
チュッと控えめにキスをした。キュンと胸が鳴った。
「あの続きはまた今度しましょう」
進藤くんは私の耳元でこそっと囁いて私の頬にちょんと軽く触れた。どうしてこの人は私の心臓が落ち着かなくなるようなことを不意にしてくるんだろう。
「じゃあ、また明日学校で」
「うん。バイバイ」
進藤くんの後ろ姿を見送ったあとも、心臓の音がバクバクとうるさく鳴っている。
胸元のネックレスに触れながら、私はこの優しい変人が好きだと思った。
珍しく余裕がなさそうに肩で息をしている。私は身体を起こして改めて進藤くんを見た。こんな進藤くんは初めてだ。
「傷ついたりなんかしないよ。進藤くんだから、いいよ」
こつん、と進藤くんの肩に頭を預けた。
「僕だってただの男子高校生ですよ。そんなこと言われたら…。いや、今日はここまでにしましょう」
「ちぇー」
「送りますね」
進藤くんは私の肩を抱いてぎゅーっとしてくれた。
あっという間に家の前に着いてしまった。これほどに進藤くんとの別れが名残惜しいと思ったことはない。家に着く頃にはもうあたりは真っ暗になっていた。
「今日はありがとね。ネックレス、大事にするよ」
「ええ。喜んでいただけてよかったです」
「ねえ、もう1回だけキスしてくれる?」
「ここでですか?」
私のお願いに進藤くんはちょっと困惑気味。
「仕方ないですね」
チュッと控えめにキスをした。キュンと胸が鳴った。
「あの続きはまた今度しましょう」
進藤くんは私の耳元でこそっと囁いて私の頬にちょんと軽く触れた。どうしてこの人は私の心臓が落ち着かなくなるようなことを不意にしてくるんだろう。
「じゃあ、また明日学校で」
「うん。バイバイ」
進藤くんの後ろ姿を見送ったあとも、心臓の音がバクバクとうるさく鳴っている。
胸元のネックレスに触れながら、私はこの優しい変人が好きだと思った。