Holy Night
目と目が逢う。
いつも他人と目が会うときの
バチッとした感覚じゃなかった。
ドキン。
沈黙に気づいて、拍手を鳴らした。
「…あんた」
彼の口からこぼれる心地好い音。
「変わってるのな」
彼は立ち上がると
私に背中を向けて暗闇を歩み始めた
私は昨日と何も
変わらない姿だったはず
ぽかーんとした顔をして
彼の目だけ見つめていた。
私は何がしたいんだろう?
すごいのは分かったし
じゃあ何が私を
こんなにも引き付けるんだろう
高鳴る胸
風が冷たい
ドキン…ドキン…