無題


目が覚めると、真っ白い、病院のベッドにいた。
感覚が戻ってきて、誰かに手を握られていることに気づいた。

「翔、」

わたしの、好きな人。涙の跡が残ってて、
わたしの冷たいの手をずっと握っていてくれた。
「、ん、」と、声を漏らすと翔が起きた。


「みど、り、」
「翔、ありがとぉ・・・!?」

お礼を言おうとしたら、翔がわたしをぎゅうっと抱きしめてくれた。
翔はまた泣きそうな声でわたしに言った。

「ごめんな、俺、ぜった碧を守れると思ったから、自信あったから・・・、だけど、だけど俺、碧をもっと辛くしちゃって・・・!」
「・・・翔・・・」

一言一言が心に染み付いて、じんわりとしみてきて、
確かに辛いと思ったけれども、翔がこんなにも心配してくれた事がうれしくて、
涙がぽたぽたと落ちてきた。


「!、碧?まだ痛いのか?」
「、、!ううん、そうじゃなくて、ね、本当に違うの、翔心配しないで、ほんとに違うから、」


それからずっと涙は止まらなくて、翔はまた抱きしめてくれて、
わたしたちはまだ小学4年なのに本当に本当の恋をした。
みんなと違くても、翔がわたしの足りない1歩分を足してくれるようだった。
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