無題
「俺、絶対碧を守るよ。俺まだ小6で、こんな事いえる歳じゃないけれど、碧を本気で守りたいんだ。」
「え、・・・ほんとう?それ?」
「うん、本当だよ。約束、」
「うん、・・絶対守ってね」
「絶対守る」

小学4年生でも大人のような恋をわたしたちは、
セミが鳴く夏にはじめた。


だけど、それはほんの半年で終わった。
12月の始め。
わたしの心臓はもう移植しないと危ない状態だった。
そのころのは、起き上がるのも辛くて病院にいつもいた。
アメリカへいって移植のするのも決まっていた。
でも、わたしはいやだと断った。
翔と離れるのがいやだった。
やっと叶った恋だったのに。
やっとわたしたちは同じ気持ちを共有できるようになったのに。
お父さん、お母さんごめんなさい。と毎日謝った。
理由は話したくなかったから話さなかった。
そして毎日の様に泣くお母さんを見ても、
どうしても翔が好きだという気持ちが上で、
ここから離れたくなかった。
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