天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「病院に行って検査しよう」

俺は病院へ向かった。

最上総合病院へ到着すると、すぐに検査を始めた。

真由香さんは入院を余儀なくされた。

「自覚症状があったんじゃないか」

俺は真由香さんに尋ねた。

「お見合いした時、大我先生は神かと思ったの、もしかして具合悪くなったら診察してもらおうって思って連絡先交換したの」

「そうだったんだ」

俺は血圧を測ったり、採血したり、検査の過程で話を聞いた。

「彼には私が好きな人が出来たって別れを告げたんだ、だって癌だったら迷惑しかないでしょ」

「そんなことはないと思うけど……」

「ある日呼吸がすごく苦しくなって、私このまま死んじゃうのかなって思ったら不安になって、一人でいるのが耐えられななくて、大我先生を頼ったの」

「そうだったんだ、初めからちゃんと話してくれたらよかったのに」

「だって、違うって、私の思い過ごしだって思いたかったんだもん」

真由香さんは涙を浮かべて、その涙は頬を伝わった。

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