天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
頻繁に金を貸してくれとせがむ孝子になんの疑問も持たなかった。

孝子の俺に対する愛を信じて疑わなかった。

その頃孝子には男がいて、俺から巻き上げた金はその男に流れていた。

当時、孝子も騙されていたとのことだった。

俺は金のことではなく、俺への愛が嘘だったことにショックを受けた。

それから俺は愛を信じられなくなった。

俺を好き、また嘘だろうと思ってしまう。

真由香さんの俺への愛も信じられないのだ。

じゃあ、俺はどうなんだ、恥ずかしい話だが、真由香さんに惹かれている自分に気づいていた。

しかし、もうあんな思いはしたくない、三年前俺は恋愛感情を封印したはずなのに……

医局に戻ると、最上が俺に声をかけた。

「真由香にキスしてやったか」

「ああ」

「マジか、二十歳の女の唇の感触はどうだ?」

「おでこにしたからわからん」

「はあ?お前は……真由香は子供じゃないんだぞ」

「真由香さんは子供だよ、これから将来のパートナーに巡り会える年齢だ」

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