天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
俺の彼女への気持ちは、誤魔化すことが出来ないところまできていた。

手術は成功したが、真由香さんはしばらく入院が続くことになった。

「どうだ、真由香、調子は」

最上先生が私の様子を見にきてくれた。

「もう元気になったよ、呼吸も苦しくないし、退院してもいいでしょ」

「まだ駄目だ、色々手術後の検査があるからな」

「そうなんだ、あっ、最上先生、私ね、自分から大我先生にキスしちゃった」

「そうか、大我びっくりしてただろう」

「大我先生も私にキスして抱きしめてくれたよ」

「へえ、あいつにしては進歩だな」

「大我先生、どうして独身なの?過去には彼女いたでしょ」

最上先生は真面目な表情で私に語り始めた。

「大我は三年前付き合っていた彼女に結果騙された形だった」

「騙された?」

あの時の人だ、騙されないようにねなんて言ってたけど、自分が騙したんだ。

「それから大我は恋愛することをやめた、好きだと言われても、その言葉を信じることが出来ないんだ」

「そうなの?」

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