天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった

第六章 偽りの気持ち

「大我先生は私のことを考えて彼と一緒の方がいいだろうって答えを出したのかな、それとも本当に信じられないって嫌われたのかな」

「真由香を嫌いにはなっていないよ、誰が側にいるのが幸せか考えてやるのが大人の男だって言ってたからな」

「そうなんだ」

「大我は俺と違って自分の気持ちを我慢するタイプだな」

「最上先生は我慢出来ないの？」

「ああ、俺は我慢しない、俺は実は結婚してるんだ」

「えっ、嘘！」

「嘘じゃねえよ、でも契約結婚だがな」

「何、それ」

真由香は興味深々で俺の話を聞いていた。

「外科に救急搬送されてきた女性がいた、鶴巻梨花だ」

「その人が後の最上先生の奥さん？」

「ああ、そうだ、俺はその頃俺に愛情を感じない結婚相手が欲しかった」

真由香はキョトンとして「どう言うこと？」とわけが分からない感じだった。

俺は話を続けた。

「俺は恋愛は面倒な事柄の一つと考えていた、話相手したり、デートに行ったりと、この世の中でこんなにも面倒なことが必要なのかと不思議だった」