天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「お帰り、真由香」

「ただいま戻りました」

「体調はすっかりいいのか?」

「はい」

「そうか、それならよかった」

「お父様、私は溝口明さんとは別れました、だから結婚はしませんから」

「そうか、それなら日下部先生と一緒になるのか」

「どうして、日下部先生の名前が出てくるのですか」

「お前がずっと日下部先生の元に身を寄せていることは、先生から報告を受けていたよ」

「そうだったんですか」

「お前は日下部先生が好きなんだろう、なんとも思っていない男性を頼ることはないからな」

お父様の言葉から、私の心の中をすべて知られていると感じた。

「はい、でも子供扱いされて相手にしてももらえません」

「お前の努力が足りんのだ、頑張れ真由香」

私はお父様が大我先生とのことを反対せず、応援してくれていることにほっとした気持ちになった。

その頃、俺は最上から真由香の退院の報告を受けていた。

「コンコン、邪魔するぞ」

「今、忙しいんだが……」

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