天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「とても気立てのいいお嬢さんだったな、お前の妻としていいと思うぞ」

「そうだな」

「じゃあ、話を勧めていいな」

「ああ、任せるよ」

俺の中でどうでもよかった。

今、惹かれる思いがなくても、人間は一緒に暮らしていると、情が湧いてくる。

俺が仕事が出来る家庭環境を作ってくれたら、あとは何も望むものはない。

静かに、二人で年を重ねていけばいいだけのことだ、何も難しいことはない。

相手が誰でも同じことだ。

俺は最上総合病院から佐原総合病院に移ることもあり、最上に事情を説明した。

「最上、ちょっといいか」

「どうした」

「俺、結婚することになった」

「マジか、真由香喜んだだろう」

「違うよ、見合い相手とだ、佐原総合病院のお嬢さんだ」

「見合い?お前見合いしたのか」

「ああ、真由香さんは溝口さんと結婚するんだよ」

「全く、お前って奴は……」

「それで佐原総合病院の医院長が早めにきて欲しいって言われた、決まったらまた言うよ」

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