天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「日下部です、ご存じかと思いますが、真由香さんは自分のマンションで預かっております」
「日下部先生、本当に申し訳ありません、ご迷惑をおかけしてしまって」
「いえ、自分は大丈夫ですが溝口さんとのことは彼の勝手な思いだと、真由香さんは仰ってましたが……」
「ああ、わしは許可した覚えはないし、真由香は別れたから関係ないと言っておった」
「そうですか」
「ところでお見合いはどうなりましたかな」
「断られました」
「日下部先生を振る女性がいるんですね」
「いますよ」
「真由香はわがままな娘ですが、日下部先生への思いは誠実です、でも先生にも人生設計がおありでしょうから、適当なところで戻してください」
「はい、真由香さんはこんな自分を思ってくれてありがたいと思っています、でも医者として頼ってくれていると感じています、自分なんかよりもっと素敵な男性が現れるでしょう、では」
俺はスマホを切った。