天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
嘘をついた、本当はこのまま俺の元にずっといてほしいと強く願っているのにどうしてその一言が言えないんだ。

過去のトラウマが俺の気持ちを閉じ込める。

それに真由香さんに裏切られたらと思うと怖くて自分の気持ちを伝えることが出来ない。

どうして、真由香さんを信じてあげることが出来ないんだ。

一週間後、私は最上先生の診察を受けるため、病院へ向かった。
「真由香、どうだ、調子は」

「うん、元気だよ」

「そうか、何か変わったことがあったら、俺に報告しろよ」

「はいはい、分かりました」

「そう言えば、大我のところに押しかけるって言ったことどうした」

「今、一緒にいるよ、でも……」

「でもなんだ」

「すぐにうちに返そうとするんだよ、子供扱いするし」

「そうか、お前から襲っちゃえ」

「もう、最上先生は下品なんだから、他に好きな人いるのかな」

「いねえよ」

私の心配は、この日大我先生と白衣の女性が話している場面に遭遇してますます色濃くなった。

< 53 / 85 >

この作品をシェア

pagetop