天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「いや、医学部から一緒の仲間だから、呼び捨てすることに抵抗なくて」

「女の子の名前を呼び捨てにするのは、心を許してるってことだよ」

「そうなんだ」

友紀に対して心を許すと言う気持ちはなかった。

ただ、医学部の同期だから名前で呼び合うことは自然のことだった。

「それにその友紀さんは大我を好きだよね」

まさかの真由香の言葉に驚いた。

「そんなことはないだろ」

「もう、大我は鈍感すぎるよ、あの人の瞳はキラキラして大我を見ていたよ」

今までそんなふうに思ったことはなかった。

「それから何でネクタイ直してもらっていたの」

「特に理由はないけど」

「駄目だよ、まるで奥さんみたいに見えちゃったよ」

「気をつけるよ」
「気をつけるんじゃなくて、もう直してもらっちゃ駄目、名前を呼び捨てにしちゃ駄目、大我って呼んでいいのは私だけだから、大我って呼ばないように言って」

真由香は俺にヤキモチを妬いてくれているんだと気づいた時、満更でもない気持ちだった。

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