天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
そう声をかけると、真由香さんは俺の顔をじっと見つめて、俺に駆け寄ってきた。

そして、ぎゅっと抱きついてきた、咄嗟の出来事に俺は戸惑いを露わにしてしまった。

「あっ、あのう……真由香さん」

「先生にも振られたのかと思っちゃった」

「すみません、急患が入ってしまって……」

俺は結構背が高い方で、真由香さんは俺の胸くらいしかなくて、抱きつかれて、俺を見上げた時、彼女の上目遣いにドキっとしてしまった。

やばい、久しぶりの気持ちに戸惑っている俺がいた。

「先生、おしゃべりの相手してくれる?」

「はい」

「やだ、先生、可愛い」

「大人をからかわないでください」

「先生、そう言う時はチャンスってキスしなくちゃ」

俺は完全に真由香さんに振舞わされてしまっていることに気づいた。

「俺の事好きでもないのにそんな事言って、俺がその気になったらどうするんですか」

「いいよ、その気になって」

「本気で怒りますよ、彼を忘れようとその気もないのに、もっと自分を大切にしないと駄目です」

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