天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「後で最上が説明にくる、奴に任せておけば大丈夫だ」
「私はやっぱり癌なの、転移したからまた手術が必要なんでしょ」
「違うよ、そうじゃない」
「私がかわいそうだから、すぐ死んじゃうから、結婚してくれたの」
「そんなことはない、真由香を好きだからに決まっているだろう」
「最上先生も俺に治せない病気はないとか言って嘘ばっかり」
そこに最上がやってきた。
「おい、俺は嘘は言ってないぞ」
「最上」
「最上先生の嘘つき、私死んじゃうんでしょ」
「それだけ俺を罵倒する人間がそう簡単に死なねえよ、元気がある証拠だな」
「元気はあるけど……」
「真由香、お前が死んだら大我は他の女と再婚しちゃうぞ」
「おい、最上」
「そんなの嫌だよ」
真由香は泣き出した。
「最上、泣かせてどうするんだ」
「いいか、真由香、本人が生きるって強い意志を見せると、病気の方で退散するんだよ、俺が絶対にお前を助ける、確かにお前の病状は難しい、でもな、大丈夫だ、俺が担当医師でありがたいと思え」