天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
俺は真由香の部屋のドア越しに声をかけた。

「大丈夫だよ」

シャワー浴びてリビングに戻ると、真由香はスマホを見ていた。

「飯食うか」

真由香はスマホの画面から視線を俺に移し笑顔を見せ返事をした。

「うん」

二人でたわいもない話をして、これが幸せって言うのかと改めて思った。

「大我、私ね、赤ちゃん欲しいんだけど……」

突然の真由香の言葉に驚いてしまった。

「えっ」

「大我、可愛い」

「おい、大人をからかうなよ」

「ごちそうさま」

真由香は立ち上がって食器をキッチンに運んだ。

俺は最上から真由香の様子を見るように言われていた。

名医と言われた俺が真由香のことになると、全く素人同然になって、ちょっとした変化にも気づかない、どうしようもないやぶ医者に成り下がってしまう。

真由香からのお願いは聞き入れていいものなのか、これから手術に挑む真由香の身体に、負担をかけることはどうなんだろうかと迷っていた。

俺は最上のスマホに連絡した。

「最上か」

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