天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「そうか」
俺は照れくさくて俯いた。
「おい、朝から仲がいいな」
そう言ってニヤッと口角を上げて笑ったのは最上だった。
「最上先生、おはよう」
「おう」
「大我、朝から真由香にキスでもしてたのか」
「あ、いや、その……」
俺は図星をつかれてしどろもどろになった。
「えっ、朝からキスしてたのか」
「そうなの、いきなり入ってきて情熱的なキスしてくれたんだよ」
「おい、真由香」
俺は最上には知られたくなかったが、もう後の祭りだった。
「へえ、そうなんだ、大我らしくないな」
「そんなことはないよ、俺は真由香の気持ちをちゃんと受け止めなくちゃって思っただけだ」
「良かったな、真由香」
「うん」
「もう、外来始まるぞ、大我、早く行け」
俺は最上に追い立てられるように病室を後にした。
いよいよ、真由香の手術の日がやってきた。
仕事も手につかない状態で、時間だけが過ぎていった。
手術が終わる予定時刻に、最上から連絡が入った。