天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「あれ、ご機嫌斜めなのか、大我はまたキスしてくれなくなったのかな」

「最上先生なんて大っ嫌い」

私は布団の中から叫んだ。

「おい、俺に対して怒ってるのか、それはないぜ、俺は真由香の担当医だぞ」

「最上先生と話したくない、出て行って」
私は布団の中でワンワン泣いた。

「そうかよ、勝手にしろ」

最上先生は病室を出て行った。

誰も悪くない、最上先生は私の病気を一生懸命に治そうとしてくれたのに、ひどいことを言っちゃった。

それから外来も終わり、病院内は静かになった。

そんな時、外来を終えた俺は最上の元を訪れた。

「どうだ、真由香の様子は……」

「分かんねえけど、俺、すっかり嫌われた」

俺は最上の言ってることが理解出来ずにいた。

「大っ嫌い、出て行ってって言われた」

「真由香はどうしたんだろうな」

「分かんねえ、お前が様子見てこいよ」

俺は真由香の病室に向かった。

「真由香、まだ傷口痛むか」

真由香は俺の方に向きを変えて、泣きながら抱きついてきた。

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