天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
第十一章 彼女を愛する決意
「どうした、寂しかったのか」

肩を震わせてひくひく泣きじゃくっていた。

「あのね、最上先生にひどいこと言っちゃったの」
「何を言ったんだ」

「大嫌いって」

「なんでそんなこと言ったんだ」

「あのね……」

真由香は急に黙った。

駄目、もしかして大我はまだ知らないかも、私が癌だって知ったら落ち込んじゃう。

そんな可哀想なこと出来ないよ。

私は涙を拭って、笑顔を作った。

「なんでもない、ちょっとおへそが曲がっちゃったの」

「そうか、じゃあ、後で謝るんだな」

「うん」

それからたわいもない話をして大我は病室を後にした。

俺は真由香は何かを隠していると察した。

いつもは俺に不満をストレートにぶつけてくるのに、今日の真由香は違っていた。

それからしばらく平穏な日々が流れた。

でも、真由香は少しずつ、心のバランスが取れなくなり、ふらっと屋上へ上がって行った。

病室にいない真由香を最上は必死に探した。

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