好きだけど、好きなのに、好きだから
佐伯君は私だけでなく、体育館中の視線を集めた。

そして、一瞬体育館が静まり返る。

「すげぇ」

「そのままダンクしちまったぜ」

「さすが、佐伯」

佐伯君のシュートに、新入生は盛り上がっている。

私は、ボールを拾って彼に手渡した。

見上げた彼と目が合う。

微笑んでみたけど……

すぐに彼に目をそらされた。
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