好きだけど、好きなのに、好きだから
佐伯君にボールが渡って……

試合になった彼は、さっきまでのクールな表情と全然違う。

イキイキしていて、キラキラしていて。

彼のそのプレーは、自信に溢れていた。

一年生とは思えない……

私はいつの間にか、目を奪われていた。

それはコートで輝く彼の姿になのか、それとも彼のスーパープレーになのか。

「優里愛くん?」

先生が私を呼んだ。

「あっ……すみません」

まばたきするのも忘れてしまうくらい。

私は、夢中になっていた。

「佐伯、すごいだろ?」

!!

見入ってしまったのバレてる?

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