好きだけど、好きなのに、好きだから
朝六時。

「行ってきます!」

学校のある日は、いつもこの時間に家を出る。

朝練に行くためだ。

私は橘 優里亜。

藤森北高校の三年生だ。

バスケット部で、マネージャーをしている。

「おはよっ」

「おっす」

玄関前には、幼馴染みの健と誠が待っている。

二人も藤森北高校の三年生。

同じバスケット部だ。

健がキャプテン、誠は副キャプテンをしている。

父親同士が幼馴染みで、私達三人は物心付く前から一緒なのだ。 

私を間に並んで歩く。

この登校の光景は、何年も変わっていない。

私達三人の高校生活は、部活と共にある。

そして、今日は新入生の正式入部の日。

「いよいよだな」

健のその言葉で、昨日の出来事を思い出す。
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