好きだけど、好きなのに、好きだから
片付けを終えると、今度は佐伯君が女子達に囲まれていた。

「佐伯君!」

「シュートカッコ良かった」

「かっこいい!」

昨日の紅白戦の彼の姿を思い出した。

そりゃあ、モテるよね……

誠とはタイプが違う、クールな塩顔イケメンって感じかな?

佐伯君は、女子達の横を素通りしていく。

あらっ……

目も暮れず、何も言わず、笑いもしない。

あららっ……

誠とは正反対だ。

期待のルーキーがクールなのは、見た目だけじゃなかったみたい。

中身もクールだ。

いや、クールというよりは無関心?

そんな事を考えながら、部室に入っていく彼をつい目で追っていた。

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