好きだけど、好きなのに、好きだから
ピリピリと音がしそうなくらい、空気が張り詰めている。

おそらく女子が佐伯君に告白をして、付き添いの男子が……

男子が殴ろうと拳を振りかざす。

さすがにまずいと思った私は、宥めるように声をかける。

「こらっこらっ。何やってるの」

二人はそれぞれ、胸ぐらを掴んでいた手を離した。

佐伯君を残して男女二人は逃げるように廊下を走っていく。

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