好きだけど、好きなのに、好きだから
少しして帰り支度をした佐伯君が、私のところにやって来た。
「優里亜先輩……」
名前ちゃんと覚えてくれてるんだ……
彼が入部して五日。
初めて名前を呼ばれた。
「あの、さっきはすみませんでした」
佐伯君がペコッと頭を下げた。
「麻衣ちゃんに叱られたんでしょ?」
「……」
佐伯君は頭をかきながら、バレたかという顔をしている。
「ほっといてあげたいところだけど……」
私は、見上げながら彼と視線を合わせる。
「先生から目をかけるように言われてるから、ほっとくわけにはいかないの!」
「うっす」
案外、素直だ。
「あっ、女の子にはもう少し優しくね」
「嫌だ。バスケに関係ねぇし」
無表情でさらっとそんな事を言う。
もう!やっぱり素直じゃない。
「優里亜先輩……」
名前ちゃんと覚えてくれてるんだ……
彼が入部して五日。
初めて名前を呼ばれた。
「あの、さっきはすみませんでした」
佐伯君がペコッと頭を下げた。
「麻衣ちゃんに叱られたんでしょ?」
「……」
佐伯君は頭をかきながら、バレたかという顔をしている。
「ほっといてあげたいところだけど……」
私は、見上げながら彼と視線を合わせる。
「先生から目をかけるように言われてるから、ほっとくわけにはいかないの!」
「うっす」
案外、素直だ。
「あっ、女の子にはもう少し優しくね」
「嫌だ。バスケに関係ねぇし」
無表情でさらっとそんな事を言う。
もう!やっぱり素直じゃない。