好きだけど、好きなのに、好きだから
「うわっ、イケメン!」

先輩の友達の一人が、俺を見てそう放った。

あー、そういう絡み面倒くせぇ……

「優里、紹介してよ」

「あっ……うちの一年生」

「それは知ってる!」

優里亜先輩が、友達全員から突っ込まれてあたふたしてる。

「あっ……えっと、佐伯はるか君」

友達の一人が俺を見上げてきた。

「ふーん、佐伯君ねぇ」

その友達が俺を見て睨みを利かす。

「優里に手出すんじゃないよ」

優里亜先輩が、その友達の方見て

「喧嘩なんてしない!しない!」

ん?

「優里……手出すってそういうことじゃなくて……」

先輩の発言に、その場が和む。
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