好きだけど、好きなのに、好きだから
大さんが連れてきたのは、麻衣先輩ではなくて優里亜先輩だった。

「姉御、すいません。麻衣のやつ日直でまだ来てなくて……」

麻衣先輩、日直か……

「痛む?」

優里亜先輩が、心配そうに俺を見上げた。

「全然、平気っす」

俺は、先輩に背を向ける。

「ダメよ!」

半ば強引に座らされた。
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