好きだけど、好きなのに、好きだから
戻った先輩は、忙しそうだ。

俺は、そんな先輩を目で追っていた。

「優里亜、テーピングお願い」

「優里ちゃん?」

「優里亜先輩、チェックお願いします」

頼まれ事に笑顔で応えていく先輩。

おっとりとした話し方と柔らかい表情は、周りを自然と笑顔にしていく。

それでいて、仕事は完璧にこなす。

選手も先生も麻衣先輩も皆、先輩を頼りにしてる。

マネージャーが天職みてぇな人だ。
< 39 / 97 >

この作品をシェア

pagetop