好きだけど、好きなのに、好きだから
洗い物をしていたからか、少し冷たい先輩の手。

その手が、俺の額に優しく触れる。

傷を見る先輩の表情は真剣。

「良かった。傷乾いてるね」

先輩がホッとした顔をした。

その表情から、本気で心配してくれていたことが伝わる。

優里亜先輩が、笑顔で俺を見送ってくれた。
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