好きだけど、好きなのに、好きだから
部活の後、今日も先輩は俺のシュート練習に付き合ってくれている。

何で俺の練習に付き合ってること、キャプテンと誠さんに言わなかったんだろう……

先輩は、いつも通りシュートしたボールを笑顔で拾ってくれている。

ガラッ

入り口のドアが開いて、俺と先輩は同時にドアの方を向く。

キャプテンと誠さん。

「やっぱりな。何で言わねぇの」

誠さんは少し怒り口調。

「それは……」

先輩は、少し困った表情をした。

「佐伯君の影の努力を私から話すのは、違うかなって思ったの……でも、ごめん」

優里亜先輩……

優しい眼差しで先輩を見るキャプテン、反対に誠さんは渋い顔をした。

「誠、帰るぞ」

キャプテンは誠さんを促すように言った。

二人はその後シュート練習のことには特に触れず、帰っていった。
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