好きだけど、好きなのに、好きだから
「先輩行きましょ!」
「あーっ!」
麻衣ちゃんが、体育館に私を引っ張って行く。
体育館のドアを開けると、そこには佐伯君と大ちゃんがいた。
「姉御、お疲れっす」
「お疲れ様」
「よーし、麻衣帰るぞ」
大ちゃんが、私に目くばせした。
「佐伯、姉御のこと待ってたっすよ」
横を通るとき、大ちゃんが私にこそっと言った。
二人が帰っていった。
静かになった体育館。
「先輩……昨日は帰ればって言ってごめん」
意外にも、先に話し始めたのは佐伯君だった。
「ううん。私こそ佐伯君の練習の邪魔しちゃってごめん」
「あれは、先輩じゃなくて誠さんが……」
そして、佐伯君はいつも通りシュート練習を始めた。
私は、佐伯君に練習に付き合う理由を答えることが出来なかった。
でも今はっきり言えること。
私は、これからも佐伯君のシュート練習に付き合いたい。
今日も、真っ直ぐにバスケットに向き合う佐伯君を見てそう思った。
理由にはなっていないけど、これが今の私の答えだ。
「あーっ!」
麻衣ちゃんが、体育館に私を引っ張って行く。
体育館のドアを開けると、そこには佐伯君と大ちゃんがいた。
「姉御、お疲れっす」
「お疲れ様」
「よーし、麻衣帰るぞ」
大ちゃんが、私に目くばせした。
「佐伯、姉御のこと待ってたっすよ」
横を通るとき、大ちゃんが私にこそっと言った。
二人が帰っていった。
静かになった体育館。
「先輩……昨日は帰ればって言ってごめん」
意外にも、先に話し始めたのは佐伯君だった。
「ううん。私こそ佐伯君の練習の邪魔しちゃってごめん」
「あれは、先輩じゃなくて誠さんが……」
そして、佐伯君はいつも通りシュート練習を始めた。
私は、佐伯君に練習に付き合う理由を答えることが出来なかった。
でも今はっきり言えること。
私は、これからも佐伯君のシュート練習に付き合いたい。
今日も、真っ直ぐにバスケットに向き合う佐伯君を見てそう思った。
理由にはなっていないけど、これが今の私の答えだ。