好きだけど、好きなのに、好きだから
「優里亜ちゃん。何か報告することなぁい?」

三人が一通り近況報告したところで、詩織先生が言った。

報告……?

「聞いたわよ」

ん?

思い当たることはない。

「誠君と一年の佐伯君が、優里亜ちゃん取り合ったんだって?」

うっ……飲んでいたお茶を、思わず吹き出しそうになってしまう。

何でそれを詩織先生が知ってるの?

いや、違う違う!

あれは、取り合ったんじゃない!

「何それ?」

「優里、聞いてないぞ!」

「で、どうなったの?」

三人の視線が、一斉に私に集まった。

「詩織先生、誰からそれを?」

「庄司先生がね」

えっ、庄司先生!

私は、てっきり誠が詩織先生に相談でもしたのかと思った。
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