好きだけど、好きなのに、好きだから
庄司先生がということは……

詩織先生と目が合った。

「優里亜ちゃんと佐伯君が、二人で練習してるのも知ってたわよ」

そう言って先生はニヤッと笑った。

一度詩織先生に向いた三人の視線は、また私へと向いた。

「えーっ!」

「あのイケメン一年生と!」

「二人で練習!」

三人が、目を輝かせて話に食い付く。

「あっ……うん」

三人が、ニヤニヤとして私を見る。

「二人で練習ってことは、優里は佐伯君を選んだわけだ。あの子もやるねぇ」

「っていうか、優里に手出すなって言ったのに」

「でも、選んだのは優里じゃん」

私が佐伯君を選んだことになっていて……

「誠も佐伯君もそんなんじゃないから」

しっかりと否定をしたのに、

「ボールを拾おうとして、手と手が触れちゃって……」

「きゃーっ」

「ドリンクを先輩も飲む?なんて間接キスしちゃったり……」

「きゃーっ」

「先輩、このシュートが決まったら俺と付き合って!とか」

「きゃーっ」

なぜか三人は、勝手に妄想を膨らませて私と佐伯君の話で盛り上がっていた。
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