好きだけど、好きなのに、好きだから
「よっ、スーパールーキー」

コートに入ると、俺に話しかけてくる高岡工業の奴。

「うっす」

そいつは俺の顔をまじまじと見て、鼻で笑う。

「ふっ、噂通りのイケメンだな。女子にすげぇモテんだって?」

「……」

くだらねぇ。

黙ってアップ出来ねぇのかよ。

こいつは高岡工業の二年生エース、小野寺。

試合を見たことはあったけど、会うのは初めてだった。

背は同じくれぇか?

こいつの方が少し高けぇか?

「三日間よろしくな」

俺にニコッと笑いやがった。

なんとなく気に入らねぇ。
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