好きだけど、好きなのに、好きだから
ガタンッ

小野寺が、派手にダンクを決めた。

そして俺の方を見て、お前もやれよと顎でゴールを指す。

ふっ、ますます気に入らねぇ。

「佐伯、やってやれ」

大さんの言葉で、目を合わせる。

大さんがボールを……

ピィピィー。

ん!!

麻衣先輩が、笛を吹いて俺らを止めた。

「こらっ、佐伯と大。遊んでんじゃないの!」

麻衣先輩が、ノシノシと俺らの方に歩いてくる。

「先に小野寺が……」

バシッ!

いてっ!

麻衣先輩は大さんの話を最後まで聞かずに、俺らの背中を思いっきり叩いた。

「おーっ、怖い」

小野寺が、麻衣先輩に笑いながら言った。

「小野寺君、あんたもよ!」

そう言って麻衣先輩は、小野寺に鋭い視線を向けた。

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