好きだけど、好きなのに、好きだから

麻衣先輩にこっぴどく叱られた俺らを、ベンチで優しく出迎える優里亜先輩。

優里亜先輩はタオルを渡してくれて、微笑んだ。

この二人は、いい意味で対照的。

麻衣先輩は叱咤激励タイプ。

優里亜先輩は縁の下の力持ちタイプ。

そんな二人に送り出されて、コートに入る。

１９０を越えているキャプテンと誠さん。孝太さんと大さん、俺も１８０代。

高さでは、互角かうちが勝っている。

センターラインを挟んで向かい合う。

俺ら藤森北も高岡工業も皆、真剣な表情に変わる。

そして、いよいよ試合が始まった──