八城兄弟は僕(=わたし)を愛でたい!
「いや〜、複眼複眼。できれば、ツバミツのからみツーショット撮らせてくれないかなぁ」
「そうそう。椿様がナイトの衣装でしたら、なお最高ですけど〜」
パシャパシャとカメラを向けて現れた、安斎さんと矢野さん。
まわりの生徒たちが引き気味でも、気にする様子はない。
「三葉っち、ふわふわロング似合うね。姫そのものだな。さては、前世女子だったな?」
不気味な笑みを浮かべながら、安斎さんがウィッグを整え直してくれる。
笑うしかなくて、アハハと乾いた声が出た。やっぱり、ダメかもしれない。
『何かあったら、すぐ俺を呼んで』
昨日、椿くんがそう言ってくれたけど、なるべく迷惑はかけたくない。大人しくしていたら、大丈夫だよね?
「三葉っち、ちょっといい?」
わり込むように、穂村さんの手が伸びてきた。
安斎さんの方をチラリと見て、不満そうにしている。
「ほうほう、なるほど。そうゆうことか」
パッと離れた安斎さんに、赤面した穂村さんが荒っぽく。
「う、うるさい! 腐女子は黙ってて」
強引に手を引かれて、教室の外へ出た。
もうすぐ九時。学園祭が始まる。
通り過ぎていく人を気にしながら、穂村さんがわたしの耳元に近づいた。
「あ、あのさ、遠野芹奈って覚えてる? この前、ダブルデートした……」
「えっ、あ……うん。遠野…….さんね」
名前を聞いただけで、心臓がドクンと反応する。
彼女とは同じ小学校で、わたしを三葉碧だと気づいていた。
いつかバラされるのではと、内心ビクビクしている。
「実は、今日遊びに来るんだけど、もう一回、三葉っちに会いたいって言ってて」
「ええーー!?」
「そうそう。椿様がナイトの衣装でしたら、なお最高ですけど〜」
パシャパシャとカメラを向けて現れた、安斎さんと矢野さん。
まわりの生徒たちが引き気味でも、気にする様子はない。
「三葉っち、ふわふわロング似合うね。姫そのものだな。さては、前世女子だったな?」
不気味な笑みを浮かべながら、安斎さんがウィッグを整え直してくれる。
笑うしかなくて、アハハと乾いた声が出た。やっぱり、ダメかもしれない。
『何かあったら、すぐ俺を呼んで』
昨日、椿くんがそう言ってくれたけど、なるべく迷惑はかけたくない。大人しくしていたら、大丈夫だよね?
「三葉っち、ちょっといい?」
わり込むように、穂村さんの手が伸びてきた。
安斎さんの方をチラリと見て、不満そうにしている。
「ほうほう、なるほど。そうゆうことか」
パッと離れた安斎さんに、赤面した穂村さんが荒っぽく。
「う、うるさい! 腐女子は黙ってて」
強引に手を引かれて、教室の外へ出た。
もうすぐ九時。学園祭が始まる。
通り過ぎていく人を気にしながら、穂村さんがわたしの耳元に近づいた。
「あ、あのさ、遠野芹奈って覚えてる? この前、ダブルデートした……」
「えっ、あ……うん。遠野…….さんね」
名前を聞いただけで、心臓がドクンと反応する。
彼女とは同じ小学校で、わたしを三葉碧だと気づいていた。
いつかバラされるのではと、内心ビクビクしている。
「実は、今日遊びに来るんだけど、もう一回、三葉っちに会いたいって言ってて」
「ええーー!?」