八城兄弟は僕(=わたし)を愛でたい!
さよなら、わたしの大好きな人
男子にならなくなって、約二週間。藍くんとギクシャクしたまま、別れの日が明日に迫っていた。
お父さんとお母さんが、明日の朝迎えに来てくれる。八城家でお世話になるのは、今日で最後。
午前十一時。ピンポーンとチャイムがなって、わたしは玄関のドアを開けた。
「三葉っちー! 遊びに来たよー!」
「ついでにマイもいますよ〜。おじゃましますね〜」
お団子頭の安斎さんとメガネに黒髪ボブを揺らす矢野さんが、手土産のケーキを片手に立っている。
「えっ、どうしたの?」
突然押しかけてきて、なにごとだろう。
両腕を掴まれ、二人はリビングへ上がり込む。
「待って待って! なにしてるの?」
ソファーに座らされて、きょとんと首をかたむける。
椿くんと琥珀さんが二階から降りてきた。その後ろから、しぶしぶ藍くんがついて来る。
女だと告白した日から、目が合うとすぐにそらされて、面と向かって話していない。
お互いに気まずくなっている部分もあるけど、わたしはできたら仲直りしたい。
ポフッと頭になにかが乗った。琥珀さんが、オモチャの王冠をかぶせたらしい。
「なんですか?」
状況の把握ができない。
あたふたしていると、琥珀さんがキッチンから料理を運んできた。パスタやチキン、春雨のスープにシーザーサラダがずらりと並べられる。
「え、ええっ⁉︎ これ、ぜんぶ作ったの?」
盛り付けが豪快な感じはあるけど、とてもおいしそう。
「俺たち三人で。碧の、お別れ会のために」
お父さんとお母さんが、明日の朝迎えに来てくれる。八城家でお世話になるのは、今日で最後。
午前十一時。ピンポーンとチャイムがなって、わたしは玄関のドアを開けた。
「三葉っちー! 遊びに来たよー!」
「ついでにマイもいますよ〜。おじゃましますね〜」
お団子頭の安斎さんとメガネに黒髪ボブを揺らす矢野さんが、手土産のケーキを片手に立っている。
「えっ、どうしたの?」
突然押しかけてきて、なにごとだろう。
両腕を掴まれ、二人はリビングへ上がり込む。
「待って待って! なにしてるの?」
ソファーに座らされて、きょとんと首をかたむける。
椿くんと琥珀さんが二階から降りてきた。その後ろから、しぶしぶ藍くんがついて来る。
女だと告白した日から、目が合うとすぐにそらされて、面と向かって話していない。
お互いに気まずくなっている部分もあるけど、わたしはできたら仲直りしたい。
ポフッと頭になにかが乗った。琥珀さんが、オモチャの王冠をかぶせたらしい。
「なんですか?」
状況の把握ができない。
あたふたしていると、琥珀さんがキッチンから料理を運んできた。パスタやチキン、春雨のスープにシーザーサラダがずらりと並べられる。
「え、ええっ⁉︎ これ、ぜんぶ作ったの?」
盛り付けが豪快な感じはあるけど、とてもおいしそう。
「俺たち三人で。碧の、お別れ会のために」