八城兄弟は僕(=わたし)を愛でたい!
「三葉って、思ったより柔らかいな」
見上げた顔から、勢いが抜けていく。
「……はい?」
今、わたしは怒ってるんだけど。
唇をへの字に曲げた顔にもお構いなしで、彼らは別の話題を広げ始める。
「太ってるわけじゃないし、もっと骨張ってゴツゴツしてるかと思ったけど。なんていうかさ」
肩や腕を掴まれて、ゾワッと身が震えた。
この人が嫌いってわけじゃないけど、イヤだ。あまりベタベタ触られるのはーー。
「碧に触るな」
クラスメイトの手が振り払われた。突然やってきた、椿くんに。
するどい視線で注意を促すと、彼らは引きつったような笑みを浮かべる。
「おおー、怖え。王子のご登場だぞ。行こうぜ」
尻尾を巻くように、男子たちは離れて行った。
また助けてもらっちゃった。
「……ありがとう」
みんなが去ったあとでも、椿くんの表情はかたいまま。どうしたんだろうと首をかしげると、腕を引かれて、廊下へ連れ出された。
不機嫌というより、動揺しているようにも見える。
「碧、どういうこと?」
見上げた顔から、勢いが抜けていく。
「……はい?」
今、わたしは怒ってるんだけど。
唇をへの字に曲げた顔にもお構いなしで、彼らは別の話題を広げ始める。
「太ってるわけじゃないし、もっと骨張ってゴツゴツしてるかと思ったけど。なんていうかさ」
肩や腕を掴まれて、ゾワッと身が震えた。
この人が嫌いってわけじゃないけど、イヤだ。あまりベタベタ触られるのはーー。
「碧に触るな」
クラスメイトの手が振り払われた。突然やってきた、椿くんに。
するどい視線で注意を促すと、彼らは引きつったような笑みを浮かべる。
「おおー、怖え。王子のご登場だぞ。行こうぜ」
尻尾を巻くように、男子たちは離れて行った。
また助けてもらっちゃった。
「……ありがとう」
みんなが去ったあとでも、椿くんの表情はかたいまま。どうしたんだろうと首をかしげると、腕を引かれて、廊下へ連れ出された。
不機嫌というより、動揺しているようにも見える。
「碧、どういうこと?」