八城兄弟は僕(=わたし)を愛でたい!
「ああ、なるほど! みや……ちゃん。で、いいかな?」
一瞬、穂村さんが驚いたような目をした。
「う、うん。碧くんって、呼んでいい?」
「了解! なんか照れるね」
ハハッと笑ったら、顔をそむけられた。
あれ? 気にさわるようなことでも、言っちゃったかな。
ショッピングモールへ着くまで、穂村さんは黙ったままだった。
バスを降りて映画館へ向かうと、入り口に二人組の男女が立っていた。こっちを見て、女の子が手を振ったから穂村さんの友達だろう。
「ーー⁉︎」
さりげなく、腕をつかまれた。跳ねのけるわけにもいかないから、そのままにしていると。
「今だけ、許して」
消えそうな声が、助けを求めているみたいで、胸が苦しくなった。
キャスケットを被っている女の子が、顔を上げる。茶色の長い髪を、ふわっとさせてニコッと笑った。
「みやの友達の芹奈だよ。こっちは、カレシの秋斗」
「どうも〜」
声を聞いた瞬間、全身の血の気が引いていく。
待って、この子……間違いない。
前に同じ小学校だった、遠野芹奈さんだ!
髪が伸びてメイクをしてるから、気づかなかった。
こんな偶然があるのかと驚いたけど、おびえている場合じゃない。これは、とてもマズイ状況だ。
「彼はあお……」
一瞬、穂村さんが驚いたような目をした。
「う、うん。碧くんって、呼んでいい?」
「了解! なんか照れるね」
ハハッと笑ったら、顔をそむけられた。
あれ? 気にさわるようなことでも、言っちゃったかな。
ショッピングモールへ着くまで、穂村さんは黙ったままだった。
バスを降りて映画館へ向かうと、入り口に二人組の男女が立っていた。こっちを見て、女の子が手を振ったから穂村さんの友達だろう。
「ーー⁉︎」
さりげなく、腕をつかまれた。跳ねのけるわけにもいかないから、そのままにしていると。
「今だけ、許して」
消えそうな声が、助けを求めているみたいで、胸が苦しくなった。
キャスケットを被っている女の子が、顔を上げる。茶色の長い髪を、ふわっとさせてニコッと笑った。
「みやの友達の芹奈だよ。こっちは、カレシの秋斗」
「どうも〜」
声を聞いた瞬間、全身の血の気が引いていく。
待って、この子……間違いない。
前に同じ小学校だった、遠野芹奈さんだ!
髪が伸びてメイクをしてるから、気づかなかった。
こんな偶然があるのかと驚いたけど、おびえている場合じゃない。これは、とてもマズイ状況だ。
「彼はあお……」