八城兄弟は僕(=わたし)を愛でたい!
 わたしが三ヶ月通うことになった星園(ほしぞの)学園。着いてすぐ、転入の紹介を受けた。
 動物園のパンダを見るように、みんなの視線がわたしを追いかける。

 転校生って、良くも悪くも目立っちゃうんだよね。夏休みに入る前までの中途半端な期間だから、なおさらだろう。

 空いていた窓側の一番うしろの席に座って、朝のショートルームを終えてすぐ、クラスメイトに囲まれた。

「なあなあ、三葉ってどこ中だったの? このへん?」

「部活なにやってた? バスケ部入らん?」

 男子からの質問攻めにたじろいでしまう。
 うう……ほんとは女の子と友達になりたいのに、どうしてこうなっちゃうの。

 女子に戻れたと思った数分後、またしても男子の体になっていたのだ。理不尽すぎる。

「たぶん、部活は入らないと……」

「なんでだよー! 今年、一年が少なくて困ってんだよ。頼む、三葉入ってくれよ〜」

 馴れ馴れしく肩に手が置かれる。距離が近過ぎて、酸素が薄くなってきた。逃げ出したいけど、感じ悪いよね。

 あまり緊張すると、いつまた体が戻るか分からないから、どうしたら……。

「あのさ、静かにしてくんない?」
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