八城兄弟は僕(=わたし)を愛でたい!
ビターでチョコなふたりきり
土曜日の昼下がり、買い出しから帰ってエコバッグの中身を取り出す。キッチン台の上に、卵と玉ねぎ、ひき肉、ニンジンやじゃがいもなどの野菜をドサッと置いた。
スーパーなんて久しぶりだったから、ワクワクしちゃった。お母さんと行っていたときを思い出して、少し寂しくなったけど。
二階から、椿くんが降りてきた。ワイヤレスのイヤホンを外して、わたしのとなりに立つ。
「碧、夕飯作るの?」
「いつもデリバリーばかりだから、今日は作ろうと思って!」
よくぞ聞いてくれましたと、わたしは目を輝かせた。
お寿司やレストランのご飯もいいけど、手作りって家庭の味がして心があたたかくなると思うの。
「それにしても、量多くない?」
「そうかなぁ? 最近、藍くんもよく食べるし、残ったら明日の朝ごはんにしてもいいかなって」
何か考えていたのか、「そっか」の反応までに間があった。
ひき肉五百グラムだから、煮込みハンバーグが八個作れる計算だ。
家にいたときは、三人分でこれくらいだったから、それほど多くないはず。
ひき肉をこねて形を作っていると、肩の上から椿くんが顔を出した。
「俺も手伝う」
ビニールの手袋をつけて、残りのひき肉を集めている。
腕が当たって、ドキドキする。意識したらダメ。料理に集中しないと。
スーパーなんて久しぶりだったから、ワクワクしちゃった。お母さんと行っていたときを思い出して、少し寂しくなったけど。
二階から、椿くんが降りてきた。ワイヤレスのイヤホンを外して、わたしのとなりに立つ。
「碧、夕飯作るの?」
「いつもデリバリーばかりだから、今日は作ろうと思って!」
よくぞ聞いてくれましたと、わたしは目を輝かせた。
お寿司やレストランのご飯もいいけど、手作りって家庭の味がして心があたたかくなると思うの。
「それにしても、量多くない?」
「そうかなぁ? 最近、藍くんもよく食べるし、残ったら明日の朝ごはんにしてもいいかなって」
何か考えていたのか、「そっか」の反応までに間があった。
ひき肉五百グラムだから、煮込みハンバーグが八個作れる計算だ。
家にいたときは、三人分でこれくらいだったから、それほど多くないはず。
ひき肉をこねて形を作っていると、肩の上から椿くんが顔を出した。
「俺も手伝う」
ビニールの手袋をつけて、残りのひき肉を集めている。
腕が当たって、ドキドキする。意識したらダメ。料理に集中しないと。