魅了たれ流しの聖女は、ワンコな従者と添い遂げたい。
眠れない夜は
*−*−*
その夜、私はなかなか寝つけなくて、カイルに声をかけた。
「カイル、眠れないの。触ってもいい?」
「ワン!」
許可するように、犬の姿のカイルは寝そべっていた姿勢からおすわりしてくれた。早速、彼に抱きつく。
犬の姿でもカイルは割と大きく、私が座ったのと同じくらいの大きさで、背中に回した手で艷やかな毛並みをなでた。
そうすると、顔がとても近くなって、彼のほっぺに顔を擦り寄せた。湿った鼻が首筋に当たる。
顔を離して、耳と耳と間をなでてやると、カイルの耳が垂れて、ハッハッと舌を出した。気持ちよさそうな顔をしている。
(人の姿のときよりも感情がわかりやすいかも)
カイルは犬の顔でもキリリとしたハンサムさんで、硬めの灰色の毛の間から、アーモンド形の透き通った碧い目が覗き、とてもかっこいいの。
目の上には眉毛のように白い毛が生えていて、それもチャーミング。
そんなカイルに、自分の頭の中を整理するようにつぶやく。
「魅了魔法なんて使いたくないのに、どうやったら止められるのかしら?」
「クゥ〜ン」
「聞いたって、わからないわよね」
私はカイルをモフりながら、とりとめもなく考えた。
「どうして……いつから魅了魔法が発動しているんだろう?」
「クーン」
カインが首を傾げる。かわいい。
ワシワシとなでる。
「魅了魔法が迷惑をかけていて、止める術がないのなら、私はどこかに引きこもって暮らしたいわ。そのときは、ついてきてくれる?」
「ワン!」
カイルが尻尾をブンブン振って、勢いよく返事してくれる。
「ありがとう! うれしいわ!」
私はまたカイルにぎゅっと抱きついた。
「キュ〜ン」
身じろぎしたカイルがかわいい声を漏らす。
カイルと二人で暮らせるなら、どこでも生きていけるわ。
どうにもならなくなったら、そうしよう。
そう考えると気が楽になって、カイルを心ゆくまでモフモフすると、私は再び横になった。今度はすんなり眠りの世界へ行くことができた。
その夜、私はなかなか寝つけなくて、カイルに声をかけた。
「カイル、眠れないの。触ってもいい?」
「ワン!」
許可するように、犬の姿のカイルは寝そべっていた姿勢からおすわりしてくれた。早速、彼に抱きつく。
犬の姿でもカイルは割と大きく、私が座ったのと同じくらいの大きさで、背中に回した手で艷やかな毛並みをなでた。
そうすると、顔がとても近くなって、彼のほっぺに顔を擦り寄せた。湿った鼻が首筋に当たる。
顔を離して、耳と耳と間をなでてやると、カイルの耳が垂れて、ハッハッと舌を出した。気持ちよさそうな顔をしている。
(人の姿のときよりも感情がわかりやすいかも)
カイルは犬の顔でもキリリとしたハンサムさんで、硬めの灰色の毛の間から、アーモンド形の透き通った碧い目が覗き、とてもかっこいいの。
目の上には眉毛のように白い毛が生えていて、それもチャーミング。
そんなカイルに、自分の頭の中を整理するようにつぶやく。
「魅了魔法なんて使いたくないのに、どうやったら止められるのかしら?」
「クゥ〜ン」
「聞いたって、わからないわよね」
私はカイルをモフりながら、とりとめもなく考えた。
「どうして……いつから魅了魔法が発動しているんだろう?」
「クーン」
カインが首を傾げる。かわいい。
ワシワシとなでる。
「魅了魔法が迷惑をかけていて、止める術がないのなら、私はどこかに引きこもって暮らしたいわ。そのときは、ついてきてくれる?」
「ワン!」
カイルが尻尾をブンブン振って、勢いよく返事してくれる。
「ありがとう! うれしいわ!」
私はまたカイルにぎゅっと抱きついた。
「キュ〜ン」
身じろぎしたカイルがかわいい声を漏らす。
カイルと二人で暮らせるなら、どこでも生きていけるわ。
どうにもならなくなったら、そうしよう。
そう考えると気が楽になって、カイルを心ゆくまでモフモフすると、私は再び横になった。今度はすんなり眠りの世界へ行くことができた。